親子で一緒に読んでほしい『学校はいかなくてもいい』書評
夏休みが終わりに近づくと、学校のことが不安になってしまうお子さんが
多くなるという話題がニュースで取り上げられますよね。
子どもを持つ親ならそのニュースを見て、我が子が「明日から行くのやだなぁ。」と
言い始めないか心配な人も多いのではないでしょうか。
思春期の子ども(特に女子!)を持つわたしも、
「もし自分の子どもが急に言い出して、不登校になってしまったら・・・。」と不安に思う一人です。
ただ、不登校と聞くとその言葉のイメージだけが先行してしまい、分かっているようで
分かっていないことが多い気がします。そんな中、小幡和輝さんの著書『学校は行かなくてもいい』
に出会いました。とても読みやすく、読み終えた感想は一言・・・
全ての親子によんでもらいたい!!
でした。この記事では、小幡さん自身の経験や考えを中心にしながら、
本を読んでわたしが思ったことなどについて書いています。
大人の判断より、子どもの選択が大事!
自分の子どもがある日、「学校に行きたくない。」と言い出したら、
どうしますか。
「そんなこと言ってないで、とりあえず行きなさい!」とか
「どうして行きたくないのか。」言ってしまう親が多いのでは
ないでしょうか。もしその状況が続くようになったら、おそらく
うちの子にかぎって不登校ってことはないわと思う・・・
思いたい親が多いと思います。
小幡さんも同じように、学校に行けないことについて両親から
「どうして行きたくないんだ!」と聞かれる毎日だったそうです。
小幡さんは、小学校2年生から中学3年生まで不登校でした。
不登校の始まりはなんとなくの違和感から始まったそうです。
親から見たらなんとなくの理由、でも本人からしたらとてもつもなく大きな理由。
それをどれだけ親が真剣に向き合えるのかが大事なんだと本を読みながら
改めて感じました。
わたしも子育てをしていて思いますが、子どもは親に迷惑をかけたらいけないな
ということをとても気にしています。それは、どの子も同じだと感じます。
これを自分が言ったらせっかくの気持ちを台無しにしてしまうなとか、
嫌な気持ちにさせてしまうなとか、親が思う以上に考えながら生活しています。
だから、「学校に行きたくない。」という言葉は、子どもにとっては究極の選択の
中での言葉だと思います。
大事なのは、大人の判断ではなく子どもの選択!!
そして、子どもの気持ちを素直に受け止めてあげることだと思います。
この本を読んでいると、子どもたちがどうして学校に足が向かなくなって
しまったのか、心の中でどのような気持ちの葛藤をしているのかが分かります。
また、ただ知るだけでなく親としての在り方を立ち止まって考えるきっかけになる
内容にもなっています。
正しい不登校のやり方
正しい不登校のやり方と聞くと、一瞬戸惑う人も多いかもしれません。
本の中で小幡さんは、
「学校にいかない」という選択をしたのなら学校に行かない時間をどう使う?
という投げかけをしています。小幡さんは学校以外の場所で様々なことに
興味をもち、挑戦し、成功体験を重ねていったそうです。つまり、自ら色々な
世界に飛び込んでいったのです。
重要なのは、学校以外の居場所をつくることや学校に行かない時間の過ごし方を
どうするか考えるということです。
しかし、行かない選択を本人がしたから本人に全て任せるというわけではありません。
先程書いたことと重複してしまいますが、子どもと向き合って一緒に考えていくということです。
学校に行けない分、どういう選択をしてどんな成功体験をしてスキルを身につけていくのか、
ということが大切ということでもあります。
いろいろな選択肢を持つ大切さ
ここまでたくさんのことを書いてきましたが、小幡さんが無責任に「学校に行かなくてもいい。」と
言っているわけではありません。学校に行かないことだけを見ればマイナスであり、学校が
必要なところであることは本の中に書いてあります。
ただ、学校のような集団生活が苦手な子どもたちや学校の教育システムに合わない子どもたちが
いるのは事実です。不登校という言葉でひとくくりにしてしまうのではなく、いろいろなことを抱えて
悩み、考え日々を過ごしている子どもたちがいることを理解し、受け入れながら様々な選択肢が
あることを親が伝えていくべきだと思います。
長い夏休み、どこかに行く計画を立てることもいいですが、この本を手にとってお子さんといろいろな
ことを考える時間を過ごしてみてはいかかでしょうか。
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小幡さんの著書は他に、『ゲームは人生の役に立つ。~生かすも殺すもあなた次第』という
本があります。
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